お役立ちコラム

会社が抱える労務リスクと回避方法

『会社設立のミチシルベ』のカメヤマです。
会社にとって人材は必要不可欠であり、組織は人の集合体で成り立っていると言えます。
ですが、人が増えればさまざまな場面で起こるのが、人間関係のもめ事やトラブル。人間関係を円滑に保つにはコンプライアンスが重要です。

今回は会社が抱える労務リスクと回避方法について、ポイントをご紹介します。
最後までお付き合いください。
 会社が抱える労務リスクと回避方法
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目次
1 労務リスクの現状
2 建設業に多い労務リスク
3 労務リスクを回避する方法とは?
4 まとめ
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1.労務リスクの現状

多くの人が集まる組織では、すべての企業でトラブルに巻き込まれる可能性があります。2000年代以降、さまざまな理由で社会的に表面化するようになりました。

厚生労働省が発表している「令和元年度、民事上の個別労働紛争相談件数」は
約28万件となっており、1日当たり約790件もの相談があります。
※令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況

その背景は、情報化社会の進展であらゆることが表面化しやすくなっていることが挙げられます。

2.建設業に多い労務リスク

さまざまな労務リスクがある中で、我々が建設業のお客様からのお問い合わせが多い事例を下記に紹介させていただきます。

・残業代・深夜割増賃金の未払い

建設業では日給月給の会社が多いと思います。「1日1万円」というように定額で支払っているので、残業代を支払っていない会社も中にはあるのではないでしょうか?
また、建設業は、他業界に比べ夜間の労働が発生しやすい業界と言えます。現場の都合で夜間にしか作業ができないことがあるので、深夜割増賃金の発生もしばしばあるかと思います。

残業代や夜間帯の賃金は、法令により決まった計算方法がありますので正確な時間の管理が必要となります。

・突然社員が出社しなくなり、そのまま退職してしまう

これは建設業界だけでなく最近増加傾向にあり、入社年数が浅い社員に起こりがちなトラブルです。
現場でのミスを職長に注意されたのが原因で「会社に行きたくない」と感じたのか、そのまま連絡が取れなくなってしまい、気が付いたら来なくなっていた・・・と、お話しいただくことがあります。また、その際に会社で支給していた工具や作業着などを返してもらえなかったという話もお聞きします。

入社する際に労働条件の確認はしっかり行うと思いますが、退職する際も注意が必要なことを頭に入れておくと良いでしょう。

3.労務リスクを回避する方法とは?

上記に挙げたようなトラブル以外にも、会社設立を行う場合は労務リスクが常にあります。
では、企業側でどのようなことをする必要があるのか。
大きく【入社時】と【退社時】に分けて説明していきます。

【入社時】

就業規則、賃金規定
口約束を規則に明文化することで、トラブルを未然に防ぐことができるのです。 万が一、会社と従業員との間でトラブルが発生しても、就業規則を基準として適切な対応をとることが可能です。
賃金規定では、賃金の構成や支払日、支払方法、手当の金額や時間外労働の割増率など、細かい規定を載せますので金銭トラブルの回避に繋がります。

雇用契約書、労働条件通知書
使用者(経営者)と労働者との間で、労働条件その他待遇について取り決める契約書です。
就業規則とセットで準備していると、より効力を発揮します

【退社時】

未払い賃金の確認
労働基準法では、賃金等の請求権は2年間(法改正により2020年4月1日以降に支払いされたものは3年間)で時効にかかると定められています。
逆を言うと、その期限までは元従業員から未払い賃金を請求される可能性があるということです。後々トラブルにならない為にすべて支払えるよう計算をしておくと良いでしょう。

退職合意書を回収する
退職合意書とは、社員が退職の際、問題はなく「合意の上で退職」したことを証明する書類です。
法的に義務づけられたものではありませんが、訴訟になったときに退職合意書は重要な証拠になります。退職者本人の署名捺印を取り、無くさずに持っておくことが大事です。

まとめ

最近は「経営者よりも従業員の方が労働基準法に詳しい」と言われるほどです。
細かくややこしいところがありますが、これからの将来を考えると、経営者として必ず持っておくべき知識です。
しかし、「勉強する時間がない」「難しくてわからない」という方がほとんどかと思いますので、一度専門家に相談することをおすすめいたします。