個人事業の壁

当期利益とは?経常利益との違いは何?

『会社設立のミチシルベ』のノゾミです。
企業は、事業に関する様々な活動により日々利益を得ています。
その利益とは、その企業の主な事業から得るものがメインとなりますが、利益の源は何も本業によるものだけではありません。
通常企業は、副業等により本業以外にも様々なルートから、利益を確保しているものです。
その企業利益を具体的に挙げていくと、売上総利益、営業利益、経常利益、当期利益など様々な経済用語が浮かび上がります。
この記事では、普段なかなか耳にすることがない「当期利益」と「経常利益」に重点を置きつつ、会計上使用される様々な利益について解説していきます。

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目次
1.売上総利益と営業利益について
2.経常利益について
3.当期利益について
4.まとめ

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売上総利益と営業利益について

当期利益と経常利益について解説する前に、まず売上総利益と営業利益について説明しておきましょう。
当期利益と経常利益の概念は、売上総利益と営業利益の理解を前提としているため、まずその2つについて理解しておく必要があります。

売上総利益とは何か

売上総利益とは一言でいうと、販売価格からその商品の原価を差し引いて残った金額のことです。
60万円で製造した車を、100万円で販売した場合で考えてみましょう。
販売金額が100万円であって、その車の製造に要した原価は60万なので、100万-60万=40万円が売上総利益となります。

通常商品を売る場合は、その商品の仕入れ値が必要になります。
その仕入れ値より高い値段で販売することが商売の基本ですが、相場の変動により仕入れ値より低い値段で販売する状況も生じます。
例えば60万円で製造した車を、50万円で販売した場合は、50万-60万=-10万円となり、販売したことにより損失が生じることになります。
この場合には、売上総利益は生じません。

営業利益とは何か

商売の原則は商品の販売であり、販売以外のことを行う必要はありません。
しかし現実では、その商品を売るために様々な経費が生じることになります。
例えば、実店舗を構えて従業員を雇って販売する場合は、家賃やその従業員に支払う給料、人件費がといった費用が必要になります。
また実店舗を構えれば、電気代やガス代などの光熱費も当然かかります。
さらにその商品を多くの人に知ってもらって販売する場合は、その商品を宣伝するための広告費が必要になり、それに加えて通信費といった経費も生じることになります。
従って会計上、会社が売上で得た利益から、これらの販売にかかった経費を差し引く必要があるのです。
つまり営業利益とは、売上総利益からその商売を行うために必要な経費を差し引いて残った金額を意味します。

経常利益について

売上総利益や営業利益は、企業の本業によって得た利益を前提としています。
しかし、企業は本業以外にも様々な利益追求行為を行っているのが基本です。
例えば不動産を所有している会社は、その不動産の家賃収入を得ています。
また、他の会社の株を会社資産として保有している企業は、株による利益配当金を定期的な収入として得ています。
他にも金銭債権の利息の受領も副次的な収入と認められます。
このような副収入から、不動産の修繕費・借金の利息の支払いなどの負債を差し引いて残った金額が、経常利益となります。
つまり経常利益とは、本業と副業から得られる利益から諸々の必要経費を引いて残った利益を意味します。
つまり経常利益とは本業の儲けだけではなく、副次的な収入を加えて計上される利益です。
経常利益を見れば、会社としての収益力が分かるでしょう。
ちなみに「経常」とは、継続して一定に保たれた状態という意味になります。

当期利益について

当期利益を理解するためには、税引前当期利益について知っておく必要があります。
従って当期利益について解説する前に、まず税引前当期利益について説明します。

税引前当期利益とは何か

税引前当期利益とは、経常利益に特別利益及び特別損失を考慮して算定された利益のことです。
特別利益とは、特別な事情により発生した利益のことで、具体的に言うと、不動産や株の売却により得られた利益のことです。
特別損失とは、特別な事情により生じた損失のことで、自然災害による事業の頓挫や金銭債権の不良債権化などによって生じた損失を指します。
従って特別利益が生じた場合は、経常利益に特別利益を加算します。
そして特別損失が生じた場合は、経常利益に特別損失を差し引いて、税引前当期利益が算出されることになります。
また税引前当期利益とは別に、税引前当期純利益と呼ばれることもありますが、どちらも同じ意味です。

当期利益とは何か

当期利益とは、税引前当期利益から法人税や住民税、事業税といった税金を支払った後に残る利益のことです。
税金といっても、法人税だけで税引前当期利益の20~40%の金額に該当することもあり、税金の合計はかなりの金額に上ります。
従って税引前当期利益と当期利益には、かなりの金額差があることも珍しくありません。
以上のことから、当期利益は最終的に企業の手元に残る利益となります。
よって当期利益は、企業にとっての純粋な儲けと言えるでしょう。
また当期利益ではなく、当期純利益と呼ばれることもありますが、どちらも同じ意味です。

当期利益と経常利益の違いについて

以上のことからお分かりのように、経常利益とは、企業が本業及び副業によって得られる利益であり、当期利益とは、経常利益から特別利益や特別損失を考慮し、さらにそこから税金を差し引いて残る利益ということになります。

経常利益の項目で、経常利益を見ればその企業の収益力が分かると説明しましたが、当期利益は特別な事情を加味して算定された利益ということもあり、当期利益では企業の収益力は分からないとされています。従って企業の収益力を示すか示さないかという点も、経常利益と当期利益の違いであると言えるでしょう。

まとめ

解説は以上になりますが、いかがでしたか。企業会計上は、様々な利益に関する用語があり、普段私たちが耳にしない用語も多く存在します。経常利益も当期利益も企業会計上重要な用語と言えるので、この機会に理解されておくことをおすすめします。