お役立ちコラム

インボイス制度とは?建設業や一人親方が知っておきたいポイント

『会社設立のミチシルベ』の廣瀬です。
最近、巷をざわつかせている2021年準備開始の「インボイス制度」。
はっきり言って理解が難しく、分かりにくいシステムになっています。

今回は
インボイス制度とは何か?
建設業は何に気を付けなければいけないか?

こちらをしっかり理解して頂きます。
特に建設業に関係する仕事をされている方、一人親方として働いている方には影響の大きい制度となっているので、ポイントをしっかりチェックしてください。
また、これから会社設立を考えている方にとっても、理解しておくべき情報が詰まっています。
最後までお付き合いください。

=============
目次
1.インボイス制度を知る前に消費税を理解する
2.インボイス制度とは
3.いつから始まる?
4.建設業や一人親方が注意すること
5.まとめ
=============

1.インボイス制度を知る前に理解しなければいけないこと

インボイス制度を理解するためには「消費税の仕組み」を理解する必要があります。

消費税について

そもそも消費税は、物やサービスを消費する際に課せられる間接税のことです。
お客さんが物を購入した時やサービスを利用した時に、受け取った消費税は、国に納めることになります。つまり、
お客さんの代わりに国に税金を納める必要があるのです。

例)

お客さん 支払い  1,100円
会社   受取   1,100円 (売上1,000円 消費税100円)
国    消費税    100円

上記のようにお客さんは1,100円支払っても100円は国に納める税金なので、100円は自分のお金ではないことを認識しておきましょう。
しかし実際には仕入れがあるので、国に納める消費税は下記のようなイメージです。

例)

お客さん 支払い  1,100円
会社   売上   1,100円 (売上1,000円 消費税100円)
仕入          550円 (仕入  500円 消費税 50円)
国    消費税     50円

国に治める消費税は100円ではなく50円ですよね?
これを「仕入税額控除」といいます。
仕入れで支払った消費税との差額50円を国に対して納税します。

イメージはわきましたでしょうか?
これが消費税の基本的な考え方です。

2.インボイス制度とは

国税庁のHPをそのまま引用すると、
令和5年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されます。適格請求書を交付できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られます。
※適格請求書(インボイス)とは、売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。
具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。
国税庁「インボイス制度の概要」より引用

どうでしょうか?
よくわかりませんね。。。

まずシンプルに説明すると
令和5年10月1日以降は「適格請求書発行事業者」から仕入れないと「仕入税額控除」は使えないということです。
つまり「適格請求書発行事業者」にならないと、仕入先として選んでもらえないことになります。
個人相手に仕事をしている方、つまりBtoC企業は影響が少ないですが、企業を相手に仕事をしているBtoB企業は大打撃をうけるシステムなのです。

「適格請求書発行事業者」になるには「消費税を納めている業者」であることに加え、登録申請書を提出し、登録を受ける必要があります。
※登録申請書の提出が可能となるのは、令和3年10月1日以降。

ちなみに、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除されます。
そのため、課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税を納めていない可能性が高いです。

例)
1のケース(税込1,100円の売り上げがあった場合)で、考えてみましょう。
あなたはどちらの業者から仕入れをしますか?

消費税を納めている A社:仕入額550円 (仕入500円・消費税50円)
※50円が消費税控除になる
消費税を納めていないB社:仕入額500円
※消費税控除なし

どうでしょうか?
もちろん、消費税控除になるA社ですよね。

A社から仕入れると納める消費税は50円です。
受取消費税100円-支払消費税50円=納税消費税50円
B社から仕入れると納める消費税は100円です。
受取消費税100円-支払消費税0円=納税消費税100円

「消費税を納めていない会社」=「免税事業者」
先にもお伝えしたとおり、課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者の場合、消費税納税の義務は免除となっています。また、事業を始めて2年以内の方も、消費税の課税期間・基準期間の関係で、免税となっています。

免税事業者にはメリットもありますが、
仕入先として大きく不利になります。
(一番大事なところです)

売上1000万円以上ある個人事業主の方は、将来的に法人にする予定があるのであれば、制度が始動する2年前までに法人設立した方がよいということになります。

3.いつから始まる ?

2023年10月1日からスタートします。
しかしいきなり、全ての消費税控除ができなくなるわけではなく、
スタート直後は経過措置がとられています。

2023年10月~2026年10月 は80%控除
2026年11月~2029年10月 は50%控除
2029年11月~         は 0%控除(本格稼働)

しかし取引先は少しでも利益を確保したいものです。
出来れば2023年10月
から(適格請求書発行事業者)課税事業者になることも検討しましょう。
事業利益が1,000万円以下の場合でも、税務署で「適格請求書発行業業者の申請」を行うことで課税業者になれます。

4.建設業や一人親方が注意すること

今回の法改正は建設業に大きなダメージがあると考えています。
なぜなら建設業は

・仕事の相手が企業(BtoB)
・1000万円以下の一人親方が多い

からです。
元請けからすると、上記の一人親方に仕事をお願いすると消費税を多く納めないといけない為、避けるようになると考えられます。
具体例を挙げて見てみましょう。

A建設株式会社(課税事業者)から、B工務店(課税業者)に550万円で住宅リフォームの依頼がありました。
そして、B工務店(課税業者)は一人親方のCさんに、110万円でリフォーム工事を発注しました。

◆一人親方が免税事業者の場合

A建設株式会社⇒【550万円(消費税50万円を含む)】⇒B工務店⇒【110万円(消費税10万円を含む)】⇒一人親方Cさん
Cさんが免税事業者の場合、Cさんは消費税10万円を納税しません。そしてインボイスの領収書も発行できません。
そのため、B工務店は消費税を50万円支払うことになります。

◆一人親方が課税事業者の場合

A建設株式会社⇒【550万円(消費税50万円を含む)】⇒B工務店⇒【110万円(消費税10万円を含む)】⇒一人親方Cさん【消費税10万円】⇒税務署
Cさんが課税事業者の場合、Cさんは消費税10万円を納税し、インボイスの領収書をB工務店に渡します。
B工務店は消費税50万円のうち、10万円分がCさんのインボイスにより控除されます。そのため、40万円の納税になります。

このように、一人親方が課税事業者か免税事業者かで、仕事を発注する会社(元請側)の負担は大きく変わります。
もしご自身が「一人親方」であればぜひこのタイミングで法人設立を考えてみてください。

5.まとめ

インボイス制度について説明させていただきました。
この制度は、消費税の免税事業者には非常にダメージの大きいものです。
Blogでもよくわからない場合はぜひ『会社設立のミチシルベ』までお問合せください。