組織構築の壁

労働基準法による労働時間とは?休憩時間や残業はどうなる?

『会社設立のミチシルベ』のノゾミです。

近年「ワークライフバランス」「ブラック企業」といった言葉も定着してきて、企業の労働時間に注目されるようになりました。
とくに長時間労働などは、世間から厳しい目を向けられるようになっています。
しかし、労働時間について、正しく理解できているでしょうか?
この記事では労働時間について、労働基準法も含めてご説明します。

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目次
1.労働時間と勤務時間
2.労働基準法上の法定勤務時間
3.労働における時間の考え方
4.休憩時間の考え方
5.残業時間の考え方
6.最新の長時間労働規制
7.勤務間インターバル
8.まとめ
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労働時間と勤務時間

会社に勤める時間、働いている時間をあらわす言葉には「労働時間」と「勤務時間」というものがあり、どちらも頻繁に耳にすることがあるでしょう。
この「労働時間」と「勤務時間」を混同して使っている方もいるかもしれませんが、このふたつの言葉には明確な違いがあります。
「労働時間」と「勤務時間」は、それぞれ以下のような意味を持っています。

勤務時間

勤務時間とは、企業の始業時刻から終業時刻までの時間のことです。
通常、勤務時間は就業規則で定められています。
始業時刻が9時、終業時刻が17時である場合には、勤務時間は8時間です。

労働時間

労働時間とは、勤務時間から休憩時間を引いた時間のことを指します。
勤務時間が9時から17時で、休憩時間が1時間の場合、勤務時間は8時間ですが、労働時間は勤務時間から休憩1時間を差し引いた7時間になります。

労働基準法上の法定労働時間

労働基準法により、労働時間は原則として1日8時間以内、1週間に40時間以内と規定されています。
この「1日8時間以内、1週間に40時間以内」は、「法定労働時間」と呼ばれています。
また、労働基準法では休憩時間にも決まりがあり、労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
休憩時間の決まりは必ず守らなければいけませんが、労働時間については、時間外労働協定(36協定)を定め、行政官庁に届け出ることで、上記の上限を超えて労働をさせることができます。

労働における時間の考え方

前述の法定労働時間のほかにも、企業の定める所定労働時間など、労働における時間の考え方の区分がいくつかあります。
こうした時間の考え方を理解することで、労働の時間を見つめなおすことができるため、労働に関わるすべての人が理解しておくべきでしょう。

法定労働時間

前述のとおり、労働基準法で定められた労働時間です。
時間:1日8時間以内、1週間に40時間以内

所定労働時間

企業ごとにそれぞれ定めている労働時間です。
法定労働時間の範囲内で、企業が自由に決めることができます。
時間:「1日8時間以内、1週間に40時間以内」の範囲内で自由に設定が可能

実労働時間

使用者の指揮命令に従って、実際に労働している時間のことです。
時間:始業から終業まで(休憩時間を含まない)

拘束時間

始業から終業までの実働時間と休憩時間を合わせた時間を、拘束時間と呼びます。
時間:始業から終業まで(休憩時間を含む)

休憩時間の考え方

休憩時間は、労働基準法に規定があり、労働時間に応じて定められています。
なお、賃金は労働の対価として支払われるもののため、一般的には、休憩時間に対しては企業から賃金が支払われることはありません。

◆6時間以下
休憩時間:不要

◆6時間以上8時間以下
休憩時間:45分以上

◆8時間超
休憩時間:1時間以上

残業時間の考え方

残業は、法的には時間外労働と呼び、時間外労働は「法定内残業」と「法定外残業」のふたつに分類することができます。
法定労働時間を超える「法定外残業」に対しては、所定賃金に一定の割合を乗じた割増賃金を支払う義務が生じます。
対して「法定内労働」の場合には、割増賃金の支払い義務はありませんが、企業によって独自の割増賃金の規定を設けている場合もあります。

◆法定内残業
所定労働時間を超えているが、法定労働時間を超えていない残業のこと。
割増賃金の支払い義務:なし。ただし企業によって規定がある場合もある。

◆法定外残業
法定労働時間を超えた残業のこと。
割増賃金の支払い義務:あり。

最新の長時間労働規制

36協定を結べば、事実上、際限なく従業員に残業をさせることが可能でした。
しかし、過度な時間外労働や休日労働などの長時間労働は、従業員の健康に多大な悪影響をおよぼすのは間違いありません。
こうした背景からも、長時間労働は社会問題化し、労働を取り巻く環境の改善や法整備が進んでいます。
平成31年には、法定外残業・休日労働の上限規制を定める法律が施行されました。
この法改正により、時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできなくなります。
臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、以下の条件を超えることはできません。

・年720時間以内
・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
・月100時間未満(休日労働を含む)
なお、中小企業への適用は、1年遅れの令和2年4月1日からとなっています。
ただし上限規制には、建設事業や医師など適用を猶予・除外する事業・業務があります。

勤務間インターバル

「勤務間インターバル」とは、勤務終了後、次の日の出勤までに、一定時間以上の「休息時間」を設ける制度のことです。
例えば朝8時に出勤する企業が、11時間の勤務間インターバル制度を設けた場合には、従業員は遅くとも21時までには退社しなければならないことになります。
これにより、従業員は生活時間や睡眠時間を確保し、ライフワークバランスを図ることができるようになると期待されています。
前述の法改正では、勤務間インターバルについて、努力義務(行うことが望ましい)であるとされています。

まとめ

労働時間と法定労働時間、休憩や残業についての考え方、そして最新の長時間労働規制などについてご説明しました。
昨今では長時間労働が問題になっていましたが、法規制も進んできており、社会的にも厳しい目を向けられるようになっています。
長時間労働は労働者の健康を害してしまうこともあり、労働効率が落ちたり割増賃金が必要になったりと、企業としてもデメリットがありました。
法定労働時間内で、効率的な仕事ができるような環境を作ることが望ましいでしょう。