お役立ちコラム

健康診断の実施は義務?種類や項目はどうするべき?

『会社設立のミチシルベ』のケイジです。
会社で行う健康診断ですが、会社には、従業員に健康診断を実施する義務はあるのでしょうか?
会社を立ち上げたばかりなど、これまで健康診断を実施した経験がない場合は、健康診断についてもわからないことがあるでしょう。
この記事では健康診断について、また会社で行う必要がある健康診断の種類・項目についてご説明します。

=============
目次
1.会社での健康診断の実施は義務?
2.健康診断以外の義務
3.健康診断の種類
4.健康診断の項目
5.まとめ
=============

会社での健康診断の実施は義務?

会社には、従業員に対して健康診断を実施する義務があります。
労働安全衛生法により、事業者は労働者に対して健康診断を受けさせる義務があると定められています。
もしも健康診断を受けさせないと、違法行為となってしまい、違法行為とみなされた場合には労働基準監督署から指導が入ります。
さらに、無視を続けるなど悪質な場合には、50万円以下の罰金を支払わなければなければいけません。

健康診断の対象者

健康診断実施の対象となるのは正社員だけでなく、契約期間が1年以上、かつ週所定労働時間の4分の3以上労働する契約社員やパート労働者も該当します。
この条件は個人事業でも、中小企業や大企業でも同様です。
対象となる人を雇った場合には、会社の規模に関わらず、会社には健康診断を受けさせる義務が生じます。
なお、健康診断の対象者となる従業員には、代表取締役社長のような事業主は含まれません。

健康診断以外の義務

健康診断を実施する義務以外に、健康診断に付随する以下の義務が生じます。

◆健康診断結果の保管義務
会社側には、健康診断の結果から個人票を作成し、5年間保管をする義務があります。
診断結果から個人票を作成する際には、本人の承諾が必要です。
個人で健康診断を受けた場合などには、一般健康診断の必須項目以外の診断結果についての保管義務はありません。

◆受信結果の報告義務
常時50人以上の従業員を雇用する事業者は、所轄の労働基準監督署に対して健康診断結果を報告する義務があります。
この報告義務は労働安全衛生法によって定められており、守らなければと違法行為とみなされます。
50人未満の従業員数であっても、報告義務がないというだけで、健康診断を実施する義務がなくなるわけではありません。

◆罰則もあり
適切な健康診断を受けさせていない場合は、違法行為にあたります。
労働基準監督署からの指導が入り、それを無視している場合には、罰金50万円以下の罰則が課せられることがあります。
従業員の健康診断は必ず実施しましょう。

健康診断の種類

従業員の健康管理について定められている労働安全衛生法では、以下の5種類の一般健康診断が、事業者に義務付けられています。

・雇入時の健康診断
実施時期:雇入れ時
対象者:常時使用する労働者

・定期健康診断
実施時期:1年ごとに1回
対象者:常時使用する労働者(特定業務従事者を除く)

・特定業務従事者の健康診断
実施時期:対象業務への配置替え時、6月ごとに1回
対象者:労働安全衛生規則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者

・海外派遣労働者の健康診断
実施時期:海外に6月以上派遣時、帰国後国内業務への就業時
対象者:海外に6ヶ月以上派遣する労働者

・給食従業員の検便
実施時期:雇入れ時、配置替え時
対象者:事業に附属する食堂または炊事場における給食の業務に従事する労働者

健康診断の項目

前項の5つの健康診断のなかで、一般的なオフィス勤務の会社において実施する可能性が高い健康診断は、「定期健康診断」「雇用時の健康診断」「特定業務従事者の健康診断(深夜業等)」の3つです。
この3つの健康診断の特徴と検査項目を具体的にご紹介します。

定期健康診断

常時使用する労働者に対して、事業者は1年以内に1回の健康診断を実施する義務があります。
この一般的な健康診断のことを「定期健康診断」と呼びます。
定期健康診断で検査する項目は、以下の11項目です。

1.既往歴及び業務歴の調査
2.自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3.身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
4.胸部エックス線検査及び喀痰検査
5.血圧の測定
6.貧血検査
7.GOT、GPT、γ-GTP検査(肝機能検査)
8.LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライドの量の検査(血中脂質検査)
9.血糖検査
10.尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査(尿検査)
11.心電図検査

雇用時の健康診断

新規で常時使用する労働者を雇い入れるときに実施が義務付けられている「雇用時の健康診断」では、以下の11項目について検査を行います。

1.既往歴及び業務歴の調査
2.自覚症状及び他覚症状の有無の検査
3.身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査
4.胸部エックス線検査
5.血圧の測定
6.血色素量及び赤血球数の検査(貧血検査)
7.GOT、GPT、γ-GTP検査(肝機能検査)
8.LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライドの量の検査(血中脂質検査)
9.血糖検査
10.尿中の糖及び蛋たん白の有無の検査(尿検査)
11.心電図検査

特定業務従事者の健康診断(深夜業等)の対象になる業務

深夜に働く人や危険な業務に携わる人は「特定業務従事者」に該当します。
この場合、一般的な定期健康診断ではなく、「特定業務従事者の健康診断」を受ける必要があります。
検査項目は一般の定期健康診断と同じですが、健康診断のタイミングは配置換えのタイミングと6ヶ月以内に1回となります
特定業務として分類されるのは、以下の業務となります。

1.多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
2.多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
3.ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務
4.土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務
5.異常気圧下における業務
6.さく岩機、鋲打機等の使用によって、身体に著しい振動を与える業務
7.重量物の取扱い等重激な業務
8.ボイラー製造等強烈な騒音を発する場所における業務
9.坑内における業務
10.深夜業を含む業務
11.水銀、砒素、黄りん、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、青酸、か性アルカリ、石炭酸その他これらに準ずる有害物を取り扱う業務
12.鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、弗化水素、塩素、塩酸、硝酸、亜硫酸、硫酸、一酸化炭素、二硫化炭素、青酸、ベンゼン、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気又は粉じんを発散する場所における業務
13.病原体によって汚染のおそれが著しい業務
14.その他厚生労働大臣が定める業務

まとめ

従業員への健康診断の実施は、労働安全衛生法によって義務付けられています。
必ず実施するようにしましょう。
従業員の健康状態が悪化すれば経営にも影響が出てしまうので、従業員の健康管理も大切な仕事だと考えると良いでしょう。