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償却(減価償却)とは?定額法についても解説

『会社設立のミチシルベ』のノゾミです。
これから起業しようとする人や経営者、個人事業主が知っておきたい会計手続きのひとつに「減価償却」があります。
初心者にはわかりにくく、理解するのが難しいと感じている方が多いと聞きます。
そこで今回は、減価償却の特徴と計算方法について解説していきます。

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目次
1. 減価償却とは?
2. 減価償却を行う理由について
3. 減価償却の計算方法
4. まとめ
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減価償却とは?

建物や車両運搬具などの固定資産は、時間の経過とともに価値が減少します。
減価償却とは、長期に渡って使用する固定資産を、時間の経過に合わせて費用として計上する会計処理を指します。
減価償却は、一般的に使用可能な期間が1年以上で、10万円以上の固定資産を購入した場合に適用されます。

減価償却できる資産

減価償却できる資産は、建物や工場・自動車・パソコン・備品などの「有形固定資産」とソフトウェアや特許権・商標権などの「無形固定資産」です。

減価償却できない資産

減価償却できない資産は、代表的なものでは土地や美術品が挙げられ、その他にも借地権や著作権・建設仮勘定なども該当します。
基本的に、時間が経過しても、価値が減少しないものが「減価償却できない資産」となります。

減価償却の処理を行う際は、固定資産が減価償却の対象となっているか、また耐用年数を確認したうえで、「減価償却費」という勘定科目に仕分けしなければなりません。

減価償却を行う理由について

減価償却費を適当に処理してしまうと、会社にとって大きな損失となることもあるため、経営者はもちろんのこと、経理担当者も深く理解する必要があります。
ここからは、減価償却を行う理由について「新車」を例に挙げて、ご紹介します。
会社が営業用に使う車として「新車」を300万円で購入したとします。
もし、新車の購入費300万円をそのまま経費として計算してしまったら、会社によってはその年の業績が赤字になってしまうかもしれません。
そうなると、銀行からの融資を受け取れなくなる可能性が出てきます。
また同時に、固定資産を複数購入した場合には、経費ばかりが多くなり、その年の業績が分かりづらくなるでしょう。
減価償却を行うことで、会社の業績を正しく把握し、より実態に近い数値に近づけることができるのです。

減価償却の計算方法

減価償却には毎年一定額を費用化する「定額法」と、毎年一定率を費用化する「定率法」があります。
会社の資金計画に合わせて選ぶようにしましょう。

定額法

定額法は、固定資産を購入した金額を、法律で定められた耐用年数で割り、耐用年数内で毎年一定の金額を計上するよう、配分するやり方です。
償却する額は基本的に毎年同じ額となります。
定額法の計算式は下記の通りです。
【減価償却費 = 取得価額 × 耐用年数に応じて定められた定額法の償却率】
たとえば、会社が耐用年数5年、500万円の普通乗用車を購入した場合、毎年の減価償却費は次のようになります。

【定額法での減価償却費】
1年目 = 500万円 × (1/5) = 100万円
2年目 = 500万円 × (1/5) = 100万円
3年目 = 500万円 × (1/5) = 100万円
4年目 = 500万円 × (1/5) = 100万円
5年目 = 500万円 × (1/5)- 1円 = 999,999円

最後の年は備忘価額として1円だけ残すのが一般的です。
そのため、100万円とはならず、残存価格から1円を引いた999,999円となります。

定率法

定率法は固定資産のうち、まだ計上していない未償却残高に、耐用年数に応じて定められた一定の割合をかけて減価償却費を算出する方法です。
償却する額は1年目が最も高く、徐々に減少していきます。
定率法の計算式は下記の通りです。
【減価償却費 = 未償却残高(購入年度は取得価額)× 耐用年数に応じて定められた定率法償却率】
先ほどの事例と同じように、耐用年数5年、500万円の普通乗用車を購入した場合で考えてみます。
定率法では、耐用年数ごとに「償却率」と、「保証率」が定められています。
耐用年数5年の場合、償却率は0.4、保証率は0.108となっています。
それを当てはめると、下記のようになります。

1年目 = (500万円-0)× 0.4 = 200万円
2年目 = (500万円-200万円)× 0.4 = 120万円
3年目 =(500万円-200万円-120万円)× 0.4 = 72万円
4年目 =(500万円-200万円-120万円-72万円)× 0.4 = 43.2万円

定率法は年が進むごとに償却する額が減ってくるため、最後まで償却しきるのに長い期間が必要になってしまいます。
そこで、減価償却費が償却保証額(=取得減価×保証率)を下回った時点で、改訂償却率が用いられるようになり、計算式が変わります。
ここで挙げた例の場合、償却保証額(=取得減価×保証率)は、以下のようになります。
耐用年数5年の固定資産の保証率は0.108なので、500万円にかけると54万円です。
4年目になると、減価償却費は43.2万円になっているため、償却保証額を下回っていることが分かります。
定率法で、減価償却費が償却保証額を下回った場合における減価償却費の計算式は以下の通りです。
減価償却費 = 改定取得減価 × 改訂償却率
耐用年数5年の改訂償却率は0.50のため、4年目以降の減価償却費は以下のように表すことができます。
4年目 = 108万円 × 0.50 = 54万円
5年目 = 108万円 × 0.50 - 1円 = 539,999円
こちらも定額法と同様に、「1円」のみ残すのが一般的です。

まとめ

本記事では、減価償却の特徴と計算方法についてご紹介しました。
減価償却とは、長年使用する固定資産を、時間の経過に合わせて費用として計上する会計処理です。
会社の業績を正しく把握し、より実態に近い数値に近づけるための重要な会計処理になります。
減価償却の計算方法は「定額法」と「定率法」の2種類あります。
定額法は償却する額は基本的に毎年同じですが、定率法は1年目が最も多く、その後は年が進むごとに減少していくのが特徴です。
会社の資金計画に合わせて選ぶようにするのが良いでしょう。