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雇用契約の基本!労働契約との違いや労基法について把握を

『会社設立のミチシルベ』のケイジです。
働き方改革により、昔とは労働に対する考え方が変わってきたこともあり、会社側と労働者側が労働に関することでトラブルになることも増えています。
例えば、ひと昔前までは、サービス残業と言うものが当たり前に行われていましたが、今では以前よりも改善が見られるようになってきました。
時代と共に社会の意識が変わってきたことで、労働者が法律に沿って意見できるようになったのはとても良いことです。
経営者側からしても従業員とのトラブルを起こさず、気持ちよく働いてもらいたいところでしょう。
そこで、今回は労働に関するトラブルを起こさないために必要な、雇用契約について解説します。
雇用契約について、どのようなものか、労働契約との違い、労働基準法に反しないためのルールなど、経営者として知っておきたい基本的なことについて解説します。


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目次
1.雇用契約とは?
2.労働契約とは?
3.雇用契約と労働契約の違いって?
4.労働トラブルを避けるための雇用契約書の存在
5.労働基準法に沿った雇用契約書
6.まとめ│雇用契約書は今後の働き方を考えると必須
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雇用契約とは?

雇用契約とは、雇用する側である企業と雇用される側である労働者の間で結ばれる契約です。
基本的に契約内容は、労働者が企業側に労働力を提供する代わりに、企業側はその労働に対する賃金を支払うことを約束するものになっています。
雇用契約を証明するものに雇用契約書がありますが、民法上では雇用契約は書面である必要はなく、口頭でも成立するものとされています。

労働契約とは?

雇用契約と似たもので、労働契約と言う契約があります。
労働契約も基本的には、雇う側と雇われる側のトラブルを防ぐために労働内容や賃金について取り交わした契約です。
会社によっては、雇用契約と同様の扱いを受けている場合もあります。

雇用契約と労働契約の違いって?

結論から言うと、雇用契約と労働契約の違いはほとんどありません。
先述したように、雇用契約と労働契約を同じものとして扱っている会社もあります。
厳密に違いを付けるとすると、雇用契約は民法で定められている契約であり、労働契約は労働契約法で定められている契約である点です。
労働契約法は、民法から派生している特別法であり、民法ではカバーできなかった労働契約に関する領域を規制しています。
雇用契約が、労働に関して報酬が発生する契約であれば誰でも結ぶことができますが、労働契約は、労働者と使用者の間のみに成立する契約です。
要するに労働契約の方が、より近代的な労働に関する契約であると言うことです。

労働トラブルを避けるための雇用契約書の存在

雇用契約は、民法623条によると、契約のみで効力が発生します。
一般的な契約は民法上、書面でする必要はありませんので、雇用契約書の発行は絶対ではないと言うことになります。
ただ、労働トラブルを避けるためにも雇用契約書は実務上、絶対に必要です。
特に近年では、労働トラブルで裁判になった際は雇用している企業側よりも労働者側に有利な判決が出る傾向にあります。
企業の経営者であれば、長く経営していると高い確率で直面するのが、労働トラブルですので、雇用契約書は必ず作成し、労働者側と内容をよく確認、納得し合うようにしましょう。

労働基準法に沿った雇用契約書

雇用契約書は特にフォーマットが決まっているわけではないですが、労働基準法を遵守して作成する必要があり、違法な内容で作成した契約書は原則無効となります。
労働基準法の15条第1項によると「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間、その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。
よって、雇用主である企業側は、労働者側に対して労働条件の明示が義務付けられています。
労働条件には、絶対にいかなる場合でも雇用契約書に明示する必要がある「絶対的明示事項」と、特別な定めがある時だけに明示が必要な「相対的明示事項」があります。

絶対的明示事項の内容

雇用契約書を作成する際に絶対に明示しなければならない内容は、以下の事項です。

◆労働契約の期間
期間に定めがない場合には、「期間の定めがない」と記載しますが、定めがある時にはその期間、更新の有無、更新の判断基準について明示する必要があります。

◆就業場所と業務内容
基本的に、入社後配属される場所の住所と社名も合わせて記載します。
異動の可能性がある場合には、異動先も合わせて記載します。

◆就労時間、休憩時間、残業の有無、休日、休暇など労働時間に関する事項
最もイレギュラーが起こりやすいのが、この労働時間に関する事項です。
就労時間や休憩時間などほぼ固定で分かっている事項の他、残業の有無や休日出金の有無など、起こりうる可能性があるものは記載しておく必要があります。
もちろんですが、残業時間を指定する場合は、労働基準法に沿った時間内に収める必要があります。

◆給与の計算方法、支払方法、給与の締め日と支払日
月給制や日給制、時給制など給与の計算方法や、手渡し、銀行振り込みと言った支払い方法についても記載します。

◆退職についての事項
退職・解雇についての条件や手続き面についての記載も必要になります。

相対的明示事項の内容

特別な定めがある場合や、必要性が高い時だけ記載する必要がある相対的明示事項ですが、以下のような事項が該当します。

◆昇給に関すること
◆退職金に関すること
◆賞与に関すること
◆労働者自己負担の食費や雑費に関すること
◆安全衛生に関すること
◆休職に関すること

相対的明示事項については、必要事項があれば、記載する形ですので、上記はあくまで一例になります。
ただ、相対的明示事項であれば、特に書かなくても問題がないと言うわけではありません。
あくまで例外的な要素がある事項であるため、絶対的明示事項に含まれていないだけです。
労働者に伝えて納得してもらう必要がある事項は、トラブル防止のため、必ず記載するようにしましょう。

その他、雇用契約書作成においての必要事項

契約書ですので、効力を持たせるために双方合意の上、署名・捺印は必要になります。
この時の署名・捺印は企業側の分も必要です。
また、社内規則で重要なものがある場合には、雇用契約書に記載しておいた方が後々のことを考えると無難です。
法律に違反することでない限り「会社として従業員にここだけは守ってほしい」という点を記載しておくようにしましょう。

まとめ

今回は雇用契約をテーマに解説しました。
雇用契約は法律が絡んでくる部分が多く、細かくややこしいところがありますが、これからの将来を考えると、経営者として必ず持っておくべき知識です。
また、労働に関する社会の考え方や価値観と言うものは、時代の流れとともにどんどん変わっていきます。
雇用契約の内容を法令遵守した上で、アップデートしていく必要があるでしょう。
今回の内容が自社の雇用契約を見直すきっかけとなれば嬉しいです。